魔法つかいプリキュア! 総括

 『魔法つかいプリキュア!』とても面白かった。

 ふたりはプリキュアに原点回帰した作りになっていてみらいとリコの関係性を49話かけて積み上げていく構成が素晴らしい。どことなくふたりはプリキュアを再解釈した印象を持つ。

 また、花海ことは=キュアフェリーチェについても妖精を心身ともに成長させるという新しい要素を入れながらも、プリキュアシリーズ恒例となった追加戦士という立場を活かし、49話かけて生まれた意味を持たせて成長させていく構成が良い。

 キュアフェリーチェの作りとしては謎めいた過去と神秘的なパワーを持つシャイニールミナスと、物理的な超パワーのミルキィローズをハイブリッドさせており、こちらも追加戦士として原点回帰した構成になっていると思う。

 49話に向けてみらリコの関係、はーちゃんの成長、モフルンの過去回想と全てを積み上げていって最後に爆発させる構成は圧巻だった。

 作品のキャッチコピー、「魔法のことば『キュアップ♡ラパパ!』で ふたつの世界がいまつながる!」がちゃんと49話の伏線になっていてネタの張り巡らし方も素晴らしかった。

 リアルタイムでネタバレは見ていたけど、それでもみらいの涙ながらのキュアップラパパでリコがやってくるシーンは歓喜した。

 みらいとリコが大人になって、はーちゃんは神化したけどそれでも大事な部分は変わってないのが良い。50話は延々と見てられるほのぼのさがある。いつか51話もやってほしい。

 プリキュアとしては1年通して複数のスタイルを使い分けるというのは初めての試みで平成ライダーっぽくて面白かった。欲を言えば1話の中で複数のスタイルチェンジをしてほしかったなと思う。

 フォームチェンジは『ふたりはプリキュア SplashStar』で初めて使われて、『ハピネスチャージプリキュア』や『Go!プリンセスプリキュア』で技バンクと言う形で再び使われノウハウを蓄積したうえで、今作で1年通して実施されてシリーズの積み重ねを感じる。

 リンクルステッキで魔法を放つ基本形態のダイヤスタイル。パワー重視のダイナミックなルビースタイル。空中戦で華麗な戦闘を見せるサファイアスタイル。ハンマー、ブーメランといった多彩な攻撃を見せるトパーズスタイル。どれも見ていて楽しかった。

 視聴期間としては1か月ほどしか見れなかったが見終わった後の余韻がすごかった。出来る事ならリアルタイムで1年間見たかったなあと思う。

 魔法つかいプリキュア!は最高だ。