薬屋のひとりごと 総括

 初回3話連続放送という展開で始まった本作。

 ミステリーものは『名探偵コナン』や推理ドラマなどでよく嗜んでいて興味もあったことなので視聴しようと思ったのだ。

 

 毒と薬が好きなそっけない猫のような性格の猫猫と権限の強い宦官の美青年・壬氏を中心に後宮で送る難事件を解決していく物語。

 

 ミステリーものといっても『コナン』のように殺人は意外と起きない作品。

 結果的に死人が出た事件は多いが、どちらかといえば不慮の事故や病死が多く、フォーマットは何故事件が起きたのか、どうすれば謎が解けるのかという方向に重向きを置いている作品なのでCMでも言われているようにサスペンスではなくミステリーなのだと再確認できる。

 

 中華ファンタジーが舞台で都の華やかな世界を描く一方で絶対的な上下関係のヒエラルキーや猫猫親子を始めとした重い出自を持つキャラたち等どこか暗くシビアな世界観も特徴的だった。

 時々SD等身でギャグは挟んで重くしすぎない工夫はされているが作品の本質はシリアス寄りなのが作品のあちこちで伝わる。

 

 特に印象的なエピソードは19話「偶然か必然か」になるだろうか。

 序盤から起きていた単発エピソードと思われた数々の事件が、実は裏で繋がっていたのではないかという話になった時は膝を打った。

 気にかけないような些細な描写を積み上げてそれを終盤で解放する。まさにこれが伏線だと思わされた訳だからだ。

 結果的には不幸な出来事が重なったことによる事故という形で事件は終わったが、このエピソードは結構印象深かった。

 

 

 終盤、猫猫の生みの親(作品的にもこう書くのが正しい気がする)である羅漢と鳳仙がやっと再会できたところは思わずこっちまで嬉しくなった。

 運の悪さで悲恋で終わりかけた2人の出会いが最後の最後で可能な限りのハッピーエンド(メリバかもしれんが)を迎えられたのは幸い。

 また自分の見受け話を進めることもできたはずなのに2人を再会させることを選んだ梅梅姉ちゃんマジ聖人。どうか幸があってほしい。

 

 2クール見終わってやはりタイプな作品だと感じた。

 ストレスフリーで見れて絵も綺麗で物語を積み重ねていくので満足度も高い。

 見てきた価値は確かにあったなと。

 

 2025年に来る2期が今から楽しみ。『薬屋のひとりごと』、これからも応援してます。