勇気爆発バーンブレイバーン 総括

 リアルロボットの世界にスーパーロボットがやってきたらどうなるか、1クールかけた壮大な実験を見ているようだった。

 イサミたち人間からすればメリットや契約もなく人類のために戦ってくれるロボットというのは劇中では真相が分かるまで不気味なものとして扱われているのも面白かった。

 見返りもなく人間に手を貸してくれる超人の存在はさながらウルトラマンの様で初めて見たのに凄く馴染みがあるのも個人的に好きな点。

 なので終盤でブレイバーンの正体が時間を巻き戻してやってきたスミスだと判明した時はちょっと残念だったなと。

 「見返りもなく人間に手を貸してくれる不気味な超人」を序盤は期待していたので、それが実は最初からいなかったと言われたようでガッカリではある。

 

 1クールあったのに特に劇中で位置エネルギーのなかった主人公イサミも勿体なかった。

 中盤までブレイバーンのパイロットとして乗るか乗らないかという軸しかなかったので乗ると決まった以上はそれ以上の活躍がなかったからだ。

 ブレイバーンが死んで立ち向かう術がなくなったのは分かるが、そこからただ情けなく白旗あげるだけなのはどうにかならなかったのかとは思う。

 ルーツに触れるメイン回があれば良くなったのになとは思う。

 バトルものでたまにある「戦闘要員以上の活躍がない主人公」状態に陥ってしまったと推測している。

 ただ、最終回でやっと覚醒して大成果を収めたのでなんとか着地は良かったのではとは思う。

 

 ただ、これは1クールものの弊害ではある。
 どれだけ詰め込んでも1クールしかないから詰め込める量にも限界があるからだ。

 1クールものは方向性を見定めたらそこに突っ走るしか基本的にやり口がない(続編が決まれば話は別だが)のでやるべきことに尺は割けてもやりたいことはいくつか切り捨てるしかない。
 せめて2クールあったら八つの枢要罪も一体ずつ深掘りしていく方向性に変えられたし、イサミの過去回もじっくり出来ただろうなと思うとそこは惜しかった。

 

 

 それでも『勇気爆発バーンブレイバーン』はスーパー系ロボットアニメの第一人者が作るセルフパロディものとして結構面白かった。

 特に1話はとんでもないものが始まった感があってワクワクしたのを覚えている。

 誰にも真似できない唯一無二性があるんじゃないかと想っている。
 いずれこれまでの勇者シリーズも機会があれば見ていきたいなあと思う。

 願うことなら続編も見たい。

 1クールの間ありがとうございました。