仮面ライダーアマゾンズ 総括 〜ニチアサから解き放たれたトゲの獣〜

 プライムビデオで配信されたオリジナル作品。

 ニチアサの制約から解き放たれたことによる自由な尺、血糊、ダメージ表現、反則の少なさ、より陰鬱なストーリー等等。

 ニチアサでは出来ない・難しいことを取っ払ったことで仮面ライダーの可能性を示した作品だった。

 

 

SEASON1

 養殖もののアマゾン水澤悠、天然もののアマゾン鷹山仁の生存と殲滅をかけたストーリー。

 まず画面が暗い。正確には暗くなるフィルターをかけているのだがそれがいい味出してる。

 ニチアサのライダーではあまり見ない画作りだ。

 「アマゾンズフィルター」なんて呼ばれたりして「暗い画面=アマゾンズ」を象徴しているのも面白い。

  

 

 次に血を伴うダメージ描写。これでもかというくらいドバドバ出血する。

 Vシネライダーシリーズからその兆候は見られたがどうやらライダースタッフ陣はニチアサで血を出せないことに相当鬱憤が溜まってる様子。

 血糊を最後に使ったのは『仮面ライダー剣』が最後(のはず)でそこから『仮面ライダーゴースト』まで血糊をハッキリと使ったといえるシーンがあっただろうか。

 『エグゼイド』や『ゼロワン』では一応使ったと言えるがハッキリと見せた訳ではないので正直カウントするか難しいところ。

 そんな10年以上ハッキリと使える機会がないのだから鬱憤も溜まるというもの。

 Vシネ『チェイサー』やVシネ『スペクター』などで使っているのはそういう鬱憤晴らしの意味合いも含まれているのではないだろうか。

 だから自由に出血描写の出せる『アマゾンズ』ではこれでもかというほど血がドバドバ出てくると私は考える。

 実際殺し合いするような戦いなのだから出血するのは当たり前である。

 その結果として凄惨さとリアリティに一役買っているのだ。

 

 

 次に販促。

 今作の販促要素はアマゾンズドライバーくらいしかない。関連商品含めればもっとあるだろうがバンダイが主軸ではないのでこの少なさ。

 従来のニチアサ作品なら販促は避けては通れないところ。

 それをいかにして作品の魅力に反映させるかがニチアサの醍醐味ではあるのだが、特に平成2期以降のライダーはとにかく販促が多い。

 クリスマス用の使い捨てとも取れる派生フォームの数々、パワーアップフォームのために1ヶ月経たないうちにまたやってくる克己心イベント等、販促のスケジュールの合間にストーリーをでっち上げるのがメインになっていて平成1期初期の頃の自由度は確実に減っていると思う。

 

 『アマゾンズ』はAmazon主導で作られたこともあり販促も最小限な自由度の高い作りで、平成1期のような野心的な面白さが出ているのではないだろうか。

 

 

 最後にストーリー。ニチアサのように「怪人だって人間と分かり合える!」なんて都合のいい展開にはならない。

 アマゾンは食人衝動を抑えられないし現に人を襲う。

 9話で登場したひっそりと生きているアマゾン達でさえ人を殺して食ってアマゾン化を抑えている(と思っている)訳だし、マモルくんだって人肉ハンバーグを食べたことで三崎くんを手にかけてる訳だし、友好的なアマゾン=これからも絶対に人間を襲わない訳ではないのである。

 野座間製薬の身勝手な理由で生み出され放逐された哀れな存在ではあるが、ただの被害者として片付けるには人間社会的にあまりにも危険な存在。

 悠だけは違うとも言えるが特別製のイレギュラーなので例外といって差し支えないだろう。

 

 終盤トラロックによって大半のアマゾンが消滅、生き残った個体は逃げ隠れながらseason2で反撃の狼煙を挙げようと目論んでいく。

 同じ生きている命だと本編でも強調はされているがとてもアマゾンという集団として分かり合えるようにはならないのも同時に分かる。

 人間サイドからすれば自分たちを襲う化け物の大半が死滅してめでたしめでたし⭐︎のハッピーエンドにしてるのが露悪的。多分わざとやってる。

 

 アマゾンは人間と似てるようで決定的に違う種族として白倉Pと武部Pの関わってきた作品群のアギト、オルフェノク、ワーム、ファンガイアといった怪物たちの総決算という意味合いも含まれているのではないだろうか。

 

 

 『アマゾンズ』ニチアサでは出来ない制約から解き放たれた、まさに「トゲ」の獣のような作品だった。

 またこんな野心的で可能性を示したライダーが見たいものだ。

仮面ライダーエグゼイド 総括 〜クリティカルexcite〜

 やはり面白い。

 『キョウリュウジャー』と『ドライブ』で感覚を掴んで勢いを増した大森Pとクリティカル連発の高橋悠也がコンビを組んだだけに他では真似できない面白さがあった。

 見返してみて毎回連続ドラマ構成ではなくて時折2話一部構成を挟んで話に緩急つけてるのを再確認できた。

 

 やはりなんといっても檀黎斗はウケるべくしてウケたキャラだったという印象だ。

 製作陣が狙って作れた訳ではないのは分かっているがこのキャラ付けならウケるのは当然だということが再確認できた。

 岩永徹也氏の怪演が人気になった要因として大きい。

 序盤は生真面目な優男だったのが5話で正体バラしてからどんどん邪悪な笑みが似合う男になっていく。そして18話で例の「宝生永夢ゥ!」を皮切りに怪演度がリミッター解除したのは見ていて面白かった。

 

 医療×ゲームらしく要素の絡み方も上手かった。

 例えば6話で音ゲーの苦手な飛彩が心臓マッサージのリズムでドレミファビートを乗り切ったり、10話で1人では使いこなせなかったドラゴナイトハンターZでマルチプレイをチーム医療に置き換えて4人で対応したりと要素の活かし方が上手かった印象だ。

 そして極め付けはなんといってもリプログラミング。

 不死身だったゾンビゲンムにライダーゲージを設けて倒せるようにしたり、洗脳されパラド傘下に入ったポッピーのプログラムを書き換えて再びCRの仲間にするなど半ばチートというべき性能を発揮していた。

 恋愛ゲーム性質のラヴリカをリプログラミングで物理攻撃できるようになったタイミングでクロノスが襲撃してきたりと、ラスボスの性能でもラヴリカを正面から倒すことが出来なかったのが分かる。

 それを書き換えるのだからリプログラミングはやはり便利な設定だったなと。

 便利な設定だが実際の医療用語だというからチョイスとして納得せざるを得ない。

 

 印象的エピソードはやはり32話だろうか。

 上堀内監督のテレビ本編監督デビュー2部作だけあって画作りや演出がバチバチに決まっており、気合いが入ってるのが分かる。

 まるで最終決戦のような冒頭からの盛り上げ、そこから時計のオブジェクトが長針を刻みながら檀正宗登場でクロノス変身、ポーズによる静止静寂からのラヴリカ撃破までの流れは何度見ても素晴らしい。

 要所要所のカメラワークも他の監督では見たことないものも多く上堀内監督とはどういう監督か示す名刺のような回だった。

 

 

 一年を通して敵を定期的に変えて尚且つヘイト管理もちゃんとしていたのも印象的だ。

 ゲンム・グラファイト期(〜12話)→ゾンビゲンム期(〜23話)→パラドクス期(〜31話)→クロノス期(〜最終回)と変遷しており視聴者を飽きさせない工夫もされていた。

 また敵キャラ一強にするのではなく主人公含め味方側も2、3話もすればカンフル剤となるようなパワーアップや新ライダーを登場させてインフレの応酬となるように作られていたのが特徴的。

 こうすることで悪役無双にならずパワーバランスを絶妙に調整することができたわけだ。

 ハイパームテキ登場後はラスボスであるクロノス最強の主人公をいかに攻略するかに焦点が合わせられ、ラスボスの足掻きを見せるという構成は他のライダーにはない特徴と言えるだろう。

 

 

トゥルーエンディング

 時系列不明で公開された夏映画。それがまさかテレビ本編の後というのは度肝を抜かれた。

 扱い的には46話と言うのが正しいだろうか。テレビ本編に登場したレギュラーキャラが各々にできることを結集して患者を救い、ラスボスを倒すという構成は王道だが紆余曲折あったエグゼイドライダーたちがやるのは感慨深い。

 

 中でも見どころは映画の潤沢な予算とCG合成から繰り出される本気のハイパームテキエグゼイドVSゲムデウス戦。これだけでも今作をやった価値は大いにあった。

 ゲストライダーの堂珍嘉邦のビジュアルも中々いい。吉川晃司や松岡充もそうだけどミュージシャンのライダー役のハマり率が高いのってなんでだろうね?ライダーのフィクション性とビジュアルの相性がいいからだろうか。

 

 ポッピーや改心したパラドを除けばバグスターは基本的に人類殲滅派の存在なのがジョニーマキシマの存在で分かる。
 ジョニーマキシマがいつからマキナビジョンの社長やってたかは分からんが(秘密裏に人間である本物のジョニーと入れ変わっていた?)、最終目的は人類滅亡だったし。

 

 そして極め付けはビルドの先行登場。まさか平ジェネFINALに繋がってくるなんてこの時は思いもしなかった。先行登場は基本パラレルなことが多かっただけにガッツリ本筋に絡めてくるのはこれまでなかったので衝撃を受けたのを覚えている。

 

 

平成ジェネレーションズFINAL

 そしてトゥルーエンディングから繋がる今作。

 先行登場したビルドがまさかのテレビと地続きの存在になっていたのはやはり衝撃的。

 「この時のビルドが葛城巧だった→その記憶を持っている戦兎は一体...?」というその後のテレビ本編にも繋がる話をしていて隙が無い。

『エグゼイド』も『ビルド』もプロデューサーが大森Pで、高橋悠也武藤将吾の両名が脚本に関わっているからこそ出来た芸当だよなあと思う。

 夏映画の先行登場をその後活用した例は今のところ無いので改めてその凄さが伺える。

 

 ビルドは万丈の成長劇として、エグゼイドはトゥルーエンディングとアナザーエンディングを繋げる潤滑剤として、ゴーストはVシネと小説を繋げる存在として、鎧武は前作で出演できなかった佐野岳のリベンジとして、フォーゼは福士蒼汰のライダー帰還作として、オーズは「いつかの明日」の寄り道として、それぞれ本作における役割のようなものがあったのも印象的。

 

オーズに対する思いはこちらから。

仮面ライダーオーズ総括 ~際限ない欲望とメダル争奪戦と生の肯定~ - kuroganetukasa’s diary

 

 また小説ゴーストを読んでからだとムゲン魂登場にも文脈が生まれる。

 

 歴代ライダーが客演するタイプの冬映画は現行と前作を除けば基本的に本筋が進展するような仕掛けにはなってない。

 強いて挙げれば『FINAL』の御成が大天空寺に戻る展開や『FOREVER』のダブルウォッチ入手くらいだろうか。

 前作の進ノ介や晴人も客演である以上何か進展があったわけでは無い。

 なので客演で本筋の進展を期待するのは違うと私は考える。

 それなのにどういう訳か「いつかの明日」が見られると勘違いしていた人が目につく。

 今作のオーズはあくまで客演なのだからそれはあり得ない。

 アンクの復活も一時的なものだしファンサービス以上の役割はない。

 いつか映司とアンクがもう一度並び立てる。そんな「いつかの明日」の寄り道でしか無いのだ。

 ちゃんと並び立たないと「いつかの明日」とは言えない。

 アンクが復活して映司の変身するオーズ、いつまでも待ってるからな。

 

 

 

 

 さて、本題から逸れてしまったが『FINAL』は客演として今できることをやり切ったように見える。

 最強フォームで戦闘員を蹴散らすだけという展開はいささか絵面に欠ける気はするが、6大ライダーののバイクチェイスやファンサービスの数々など見どころも多いので全体で見れば些細なことだろう。

 平成が終わってしまったことにより平ジェネが早期に終わってしまったのは惜しい。

 平ジェネシリーズがもっと続いていれば桐山漣菅田将暉のダブルも見れたりしたのだろうか。

 平成一期からも客演があったりしただろうし、それはそれで見たかった気もする。

 平ジェネシリーズは何か形を変えてまたやってほしいと思う。

 

 エグゼイドはここからアナザーエンディングへと繋がっていくのだ。

 

 

アナザーエンディング

 アナザーエンディングはサブライダーの総括とも言える内容の三部作だった。

 それと同時に檀黎斗を神から人間に戻す降ろすための儀式でもあった。

ブレイブ&スナイプ

 飛彩、大我がメインの最後の物語。

 小姫を救えなかった未練と後悔から飛彩と大我が別々で、けれど向かう先は同じとして小姫を救う話だった。

 テレビ本編が始まる前からバクスターの抗体を宿し続けた大我が執念でクロノスになるのはシビれたねえ。ああいう気合いでパワーアップする展開が好きなんだ。

 攻略条件が特殊なラヴリカを相手に飛彩がついに物理で攻撃が通るようになったのもよかった。小姫への想いがあれば最初から条件は揃っていたのが感慨深い。

 なんと今作新規要素は新キャラのいわゆるVシネ恒例無から生えた女である八乙女沙衣子だけである。

 リデコしたスーツは何もないのは逆に思い切った試みである。その代わりに大我クロノスやタドルレガシーが活躍するパートがあるのがいい。

 おそらく3部作にすることで予算を節約する必要があったんだろうなと推測する。

 短時間ではあれど飛彩と小姫があの日から言いたかったことを互いに言い合えたのはテレビ本編からの積み重ねを感じて良かったと思う。

パラドクスwithポッピー

 パラド、ポッピーがメインの最後の作品。

 バクスターとしてTV本編の紆余曲折を得た2人が出来ることは何かという話だった。

 アナザーパラド、まさかそういう設定で来るとは。檀正宗に感染していたバクスターの設定をここで使ってくるのは唸った。

 ただアナザーパラドがパラドそっくりの姿をしているのは最初期のバクスターは全てパラドになるのか、檀正宗のバクスターをパラドっぽく外見を作り直したのかどっちなんだろう。

 そしてまさか2作後にアナザーライダーが来るなんてこの時の大森Pと高橋悠也は予想できたんだろうか。 

 

 八乙女沙衣子はまさか平ジェネ無印に出てきた財前美智彦の娘だったのにも驚いた。

 ゲノムスも登場させたりとエグゼイドVシネは設定を拾って繋げるのが上手い印象。

 

 ハイパームテキを出さない方法として変身前の永夢を半殺しにするの容赦なくて笑ってしまう。変身前を襲撃するのはエグゼイド当時だとVシネだから出来る切り口だと言えよう。でも実際そうでもしないとハイパームテキが出張ってきて話終わるのでこうするのは仕方ない気もする。

ゲンムVSレーザー

 アナザーエンディング最終章。神と化した黎斗を人間に引き摺り戻すために貴利矢が奮闘する話だった。

 ゴッドマキシマムマイティXは神となった黎斗のためのガシャットとして相応しく、ゲームを無限に生成可能で実質攻撃方法が無限にあるというのが面白い。

 レベルもビリオンに設定されており正攻法で戦っても勝てないのが分かる。

 後述する小説でも触れられていたがハイパームテキとゴッドマキシマムXは互角の性能らしく人間としての寿命がある分永夢の方が不利らしいということでエグゼイド世界で事実上の最強のフォームということになる。

 まさに神の如く力なのだなと。

 

 そしてレーザーX、まさかここでギリギリチャンバラのガシャットを使ってくるのは盲点だった。12話のリベンジの意味合いも含まれる上にレベル3レーザーのスーツをリデコする理由付けをしていて隙がない。

 

 八乙女沙衣子、父の影を追うことなく自分の意思で黎斗を止めてくれるかと思いきやゾンビバクスター化して明日那を追いかけ回すだけで終わったのはもうちょっとなんとかならんかったか...?

 Vシネ三部作通しての成長劇としての役割もあったので尻すぼみで終わったのは残念。

 

 ゲンムとレーザーの因縁は雨の大森坂で始まり雨の大森坂で終わるというのは芸術点が高かった。

 ラストで黎斗が貴利矢を人間に戻すことでバクスター化した人々にも解決の糸口が見えるというエンディングは医療ものらしくていいなと思った。

 ゲームを通して黎斗が神の才能に拘るのは母親を助けられなかった医療への失望から来たものというのは意外だが納得の行く答えだ。

 当然その黎斗がこんなところで終わるキャラな筈もなく...?というオチもエグゼイドらしい。

 

 アナザーエンディング、ライダー恒例のVシネとしてはそこまで蛇足感もなくサブライダーたちの補完をする意味でも見てよかったなと思えるVシネだった。

 

 

マイティノベルX

   永夢の過去の追憶、そして黎斗復活と全ての患者の危機を阻止するために奮闘するドクターたちを描いたエグゼイド最後の作品となる小説。

 宝条永夢とはどんな人間なのか、これまで語られてこなかった過去に迫る一冊だった。
 これを読んでからだとこれまでの永夢の見方が変わってくる、まさに伏線回収というべきだろうか。

 マイティノベルX、ノベルゲーム形式で進んで行ってBADな選択肢を選ぶと即ゲームオーバーなのでかなりシビアな作りをしている。

 エグゼイドの形態としては、言った発言が言霊のように実行されるという概念系の形態。パラメーターをカンストするようにステータスを割り振ったのがハイパームテキだとすればゲームそのものを書き換えるのがマイティノベルXといったところだろうか。

 ゴッドマキシマムマイティXすらも凌駕する性能のガシャットが出てくる、もはやインフレの留まるところを知らないのがエグゼイドワールドだ。

 ...まあこの後もゲンムのガシャットはいくつも出てくるのでマイティノベルXが型落ちするのも時間の問題だろうな。

 

 永夢の過去、医者として「患者の命と笑顔が何より大事」を掲げていた永夢自身が自分の命は軽く考えていたのは膝を打った。

 黎斗が純粋と評していた永夢の「水晶」は純粋ではなく空虚だったというのは盲点だ。

 自分という器が空っぽであるが故にそれを満たそうとする行いがTV本編における妄執とも取れる「患者の笑顔を取り戻す」だったのはまるで一本の線で全てが繋がっていたような感覚だ。

 

 永夢の父親については究極的に家庭よりも仕事を優先する父親という印象だ。永夢に対するライン超えの発言は目に余るが、全国の患者を優先した医療人としての行いは理解はできる。

 

 高橋悠也はその気になれば人を書けるというのが分かった。テレビ本編は書く気が無かったのも分かった。

 飛彩の家族構成や大我の詩的な感性などの説明があったりメインキャラの深掘りもやっており隙がない構成。正直この辺はTV本編でやってほしかった感はあるが。

 

 敵となったハイパームテキが恐ろしく強いのは笑ってしまう。

 タドルレガシー、バンバンシミュレーション、レーザーターボの3人がかりで3秒時間を稼ぐのがやっとなの次元が違う。

 テレビ本編は永夢が敵にならなくてよかったね。

 

 黎斗はこれまでもバックアップを取って復活に備えていたので今回もそうだよなって印象。

 永夢の体を乗っ取って人間として復活できるところまで来てるので神の才能の名は伊達じゃねえ。

 

 永夢の寿命が続く限り永夢と黎斗の戦いは続く、まさに「終わりなきGAME」だ。

 『マイティノベルX』、テレビ本編、劇場版、Vシネのその後を描いたまさに永久版「ノベル」だった。

 永夢たちのゲーム=オペはこれからも続いていく。「終わり無きgame 楽しむだけ。」

 

 

 以上がエグゼイドの総括となる。

 『エグゼイド』は勢いに乗った大森P、高橋悠也のライダーとして目的地に一本道で駆け抜ける(エグゼイドではドクターとして患者の治療)という得意分野、エグゼイドの設定やテーマが奇跡的に合致してクリティカルを連発していた作品だということが後々の作品で証明されてしまっている。

 だからこそ『エグゼイド』はまさに奇跡の作品。誰にも真似できない面白さに繋がっているのだろう。

 作風的にもキャストは健在だし10周年を迎えたら何かしらアクションは起こしてくれそうな気はする。その時まで「進むべきlife 生きていくだけ」だ。

 『仮面ライダーエグゼイド』やはり面白かったです。

劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星 感想

 今回から映画など単体で完結する作品は「感想」シリーズとして書いていきます。

 TVシリーズ+αといった作品に関してはこれまで通り「総括」シリーズとして書いていく予定です。

 では本題へ。

(映画本編のネタバレアリ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 劇場版名探偵コナンシリーズ、今作も面白かった。

 和葉への告白に邁進する平次と、父親が盗らなかったお宝を探し求めるキッド。2人の思惑とキス未遂の因縁が絡み合う天下分け目のお宝争奪バトルミステリーだった。

 

 やはり印象的なのは終盤平次の一世一代の大勝負だろうか。告白自体はハッキリ言い切ることには成功するが、和葉がスタングレネードで耳をやられたので平次の告白も含め何も聞こえてなかったのは笑ってしまった。

 さすがに映画でキャラ同士の関係性を進展させるようなイベントはやらないと思っていたので「平次の告白はちゃんと言ってるが和葉が聞こえてなかった」というオチは上手い落とし所だろう。
 ということは原作で100万ドルの夜景よりも凄い告白が待ってるはずなんで期待しますよ青山先生!

 

 また平次の告白を成功させるために蘭姉ちゃんがゲストキャラの福城聖くんを手刀で黙らせるの笑ってしまう 。

 ホント一瞬だったのでハッキリと手刀のシーンが写っていなかったまである。
 その後片手で男子大学生を軽々担いでたよね?ゴリラか?????

 

 

 何気に有希子さんコナン映画出てくるのは初めてじゃないか?『ベイカー街の亡霊』ではゲーム上に出てくるアイリーン役だったのであれはノーカンだし。優作の衝撃のカミングアウトの聞き役という立ち位置だった。

 盗一への弟子入りとか優作との結婚とかその辺の情報はどういう辻褄合わせになってるのかは気になるところ。

 これは原作での説明待ちかな。

 

 
 個人的に『キミがいれば』流れなかったのはちょっと残念。

 ハロ嫁、黒鉄と流れてきたので今年もあるかなって期待してたんだけどなかったね。
 まあいつものメインテーマ流した上でもう一回見せ場を作らなきゃならないハードルがあるし、今作は平次の告白がメインなのでコナンに使える尺が余裕なかったんだろうと解釈しておきたい。

 なお五稜星の楽曲集のボーナストラックには『キミがいれば』男性バージョンとかあったのはビックリ。作ったけど使わなかったパターンあるんだ…。

 作ってくれたのは嬉しいけど男性ボーカルは今までなかったので変わり種すぎてどう受け止めればいいのか分からないのが率直な感想。 
 来年は女性ボーカルverで劇場で流れるのを期待したい。

 

 

 そして明かされたキッド最大の秘密、「新一と快斗は従兄弟」てあるということ。

 アニメキャラで顔が似るのってよくある話だしそういうもんだと受け流してたんだけどまさかここで血縁関係作るの!?って初見で思った。

 これは試写会でネタバレされるのは避けたい制作側の気持ちが分かる。
 原作者が漫画に先駆けて出した重大情報をネタバレされるわけにはいかないもんな。

 蘭の新一センサーがキッド相手だとバグるの(『天空の難破船』のキス未遂など)がある意味正しかったのが証明されたの笑う。

 

 

 そしてエンドロール後の黒羽盗一生存確定。

 自分はお恥ずかしながら『まじっく快斗』を全話読んでるわけではないので、快斗の親父さんのことは既に事故死してるくらいしか知らなかったので「え!?生きてたの!?」という率直な驚きがあった。

 もし工藤優作と黒羽盗一が兄弟って設定作ったのがコナン製作時から考えられていたとしたら青山先生凄すぎる。

 優作と盗一が双子なのここから『名探偵コナン』と『まじっく快斗』の整合性をどう合わせてくるのか楽しみだ。

 

 大泉洋登場シーンの9割以上が黒羽盗一の変装だったのって怪斗キッドの変装が見分けつきやすい分かりやすいもの(下手な京都弁の沖田や関係者にすぐバレた西村警部など)と違って最後まで完璧に隠し通せた対比になってるんだな。(ラストまで上司の西村警部でさえ気づいてなかったので。)

 

 

 来年は長野県警がメイン。

 記憶が正しければ長野県警組が劇場版に出演するなら初めてのはずなのでどんな科学変化を見せてくれるか楽しみ。

 諸伏警部に焦点が当たるので弟のヒロと友人のゼロ(=安室透)も何らかの形で出てくるんじゃないかなあ。

 長野県警編は凝った時間が多い印象なので推理重視のコナン映画が見れそうだ。

 予告では小五郎の声も入ってたので『水平線上の陰謀』以来の小五郎メインの映画でもあるのかな。

 いずれにしても2025年4月の公開が今から待ち切れないね。

勇気爆発バーンブレイバーン 総括

 リアルロボットの世界にスーパーロボットがやってきたらどうなるか、1クールかけた壮大な実験を見ているようだった。

 イサミたち人間からすればメリットや契約もなく人類のために戦ってくれるロボットというのは劇中では真相が分かるまで不気味なものとして扱われているのも面白かった。

 見返りもなく人間に手を貸してくれる超人の存在はさながらウルトラマンの様で初めて見たのに凄く馴染みがあるのも個人的に好きな点。

 なので終盤でブレイバーンの正体が時間を巻き戻してやってきたスミスだと判明した時はちょっと残念だったなと。

 「見返りもなく人間に手を貸してくれる不気味な超人」を序盤は期待していたので、それが実は最初からいなかったと言われたようでガッカリではある。

 

 1クールあったのに特に劇中で位置エネルギーのなかった主人公イサミも勿体なかった。

 中盤までブレイバーンのパイロットとして乗るか乗らないかという軸しかなかったので乗ると決まった以上はそれ以上の活躍がなかったからだ。

 ブレイバーンが死んで立ち向かう術がなくなったのは分かるが、そこからただ情けなく白旗あげるだけなのはどうにかならなかったのかとは思う。

 ルーツに触れるメイン回があれば良くなったのになとは思う。

 バトルものでたまにある「戦闘要員以上の活躍がない主人公」状態に陥ってしまったと推測している。

 ただ、最終回でやっと覚醒して大成果を収めたのでなんとか着地は良かったのではとは思う。

 

 ただ、これは1クールものの弊害ではある。
 どれだけ詰め込んでも1クールしかないから詰め込める量にも限界があるからだ。

 1クールものは方向性を見定めたらそこに突っ走るしか基本的にやり口がない(続編が決まれば話は別だが)のでやるべきことに尺は割けてもやりたいことはいくつか切り捨てるしかない。
 せめて2クールあったら八つの枢要罪も一体ずつ深掘りしていく方向性に変えられたし、イサミの過去回もじっくり出来ただろうなと思うとそこは惜しかった。

 

 

 それでも『勇気爆発バーンブレイバーン』はスーパー系ロボットアニメの第一人者が作るセルフパロディものとして結構面白かった。

 特に1話はとんでもないものが始まった感があってワクワクしたのを覚えている。

 誰にも真似できない唯一無二性があるんじゃないかと想っている。
 いずれこれまでの勇者シリーズも機会があれば見ていきたいなあと思う。

 願うことなら続編も見たい。

 1クールの間ありがとうございました。

葬送のフリーレン 総括 人の心を知る軌跡

 金曜ロードショーで4話一気に放送という異例の放送スタイルで始まった本作。

 

 魔王を倒した勇者一行の1人、フリーレンが仲間のヒンメルの死をきっかけに人の心の軌跡を学んでいく物語。

 

 キャラの喋り口調は淡々としているけれどウィットに富んだ会話をしているのがクセになる。

 動的な心情の変化のシーンは少ないかもしれないが人の心にフォーカスした作品なだけあって静かにそれでいてハッキリとエモーショナルなシーンが記憶に残る。

 作画の良さも印象的で何気ない日常のシーンでも、ここぞという時のバトルシーンも、とにかく安定して作画がよかった。それでいてヌルヌル動くのだから今期のアニメの中ではかなり上位に入るのではないだろうか。

 背景も美術画のように綺麗でファンタジーに相応しい絵作りがされていた。

 

 初回2時間スペシャルで放送することでエルフであるフリーレンと同じように時間経過の速さを視聴者に体験させる構成は上手いなあと思った。

 

 

 一期でやはり擦りたい人気があったのはやはり断頭台のアウラだろうか。

 死に方が印象的(オブラート)なだけで人気投票で2位を取るくらいの爪痕を残したのは簡単に真似できないよなと。

 ビジュアルとCV竹達彩奈の影響も大きいだろうがこういう「10回の出番よりも1回のインパクト」の大きさを知れるいい機会だった。

 もし生きていたらというIFを元にしたファンアートはどれも面白くて好き。

 アニオリでいいからまた出ないかなあ。

 

 改めて見返すと日常シーンもバトルシーンも名シーン名言ばかりなのはすごい。

 原作のクオリティの高さと再構成したアニメスタッフの頑張りに拍手を送りたい。

 

 いずれ来るであろう第二期が今から楽しみだ。

 『葬送のフリーレン』これからも応援してます。

薬屋のひとりごと 総括

 初回3話連続放送という展開で始まった本作。

 ミステリーものは『名探偵コナン』や推理ドラマなどでよく嗜んでいて興味もあったことなので視聴しようと思ったのだ。

 

 毒と薬が好きなそっけない猫のような性格の猫猫と権限の強い宦官の美青年・壬氏を中心に後宮で送る難事件を解決していく物語。

 

 ミステリーものといっても『コナン』のように殺人は意外と起きない作品。

 結果的に死人が出た事件は多いが、どちらかといえば不慮の事故や病死が多く、フォーマットは何故事件が起きたのか、どうすれば謎が解けるのかという方向に重向きを置いている作品なのでCMでも言われているようにサスペンスではなくミステリーなのだと再確認できる。

 

 中華ファンタジーが舞台で都の華やかな世界を描く一方で絶対的な上下関係のヒエラルキーや猫猫親子を始めとした重い出自を持つキャラたち等どこか暗くシビアな世界観も特徴的だった。

 時々SD等身でギャグは挟んで重くしすぎない工夫はされているが作品の本質はシリアス寄りなのが作品のあちこちで伝わる。

 

 特に印象的なエピソードは19話「偶然か必然か」になるだろうか。

 序盤から起きていた単発エピソードと思われた数々の事件が、実は裏で繋がっていたのではないかという話になった時は膝を打った。

 気にかけないような些細な描写を積み上げてそれを終盤で解放する。まさにこれが伏線だと思わされた訳だからだ。

 結果的には不幸な出来事が重なったことによる事故という形で事件は終わったが、このエピソードは結構印象深かった。

 

 

 終盤、猫猫の生みの親(作品的にもこう書くのが正しい気がする)である羅漢と鳳仙がやっと再会できたところは思わずこっちまで嬉しくなった。

 運の悪さで悲恋で終わりかけた2人の出会いが最後の最後で可能な限りのハッピーエンド(メリバかもしれんが)を迎えられたのは幸い。

 また自分の見受け話を進めることもできたはずなのに2人を再会させることを選んだ梅梅姉ちゃんマジ聖人。どうか幸があってほしい。

 

 2クール見終わってやはりタイプな作品だと感じた。

 ストレスフリーで見れて絵も綺麗で物語を積み重ねていくので満足度も高い。

 見てきた価値は確かにあったなと。

 

 2025年に来る2期が今から楽しみ。『薬屋のひとりごと』、これからも応援してます。

仮面ライダーゴースト 総括 〜軌跡!ゴーストの全て!〜

 平成ライダー全部見るという目標で始めた平成ライダーラソンも気付けば17作目。

 本作『ゴースト』はリアルタイムでツギハギなセリフ運びや絵面のおかしさ等出力の下手さが目立ち奇天烈な作品だった印象。

 なので正直平成ライダーラソンするという目的がなかったら二周目する気は起きなかった。

 

 二周目していく中で「なるほど、ここはこうだったのか、このキャラはこういう意味でこういう発言をしていたんだな」と予めテレビ本編のその後の展開や設定を分かっているのでリアルタイムよりもスッと理解できた。

 例えば序盤アランたちの言う「完璧な世界」や終盤のコピーマコト兄ちゃんといったのが挙げられる。

 二周目する前は微塵も思わなかったが、ニチアサ内外でいい加減な作りをしている作品がいくつか見受けられるようになったこともあり、その分『ゴースト』はやりたかったことは伝わるし作品全体での一貫性は感じられるので誠司な作品に見えるようになったのは二周目して1番大きな収穫だった。

 けど二周目するの前提みたいな作風なのに二周目させる気のない出来栄えなのはいかがなものかとは思う。

 

 これも二周目してから分かったが終盤1クールはひたすらアデルとガンマイザーとばっかり戦っている印象だ。

 時折イゴールら眼魔も襲ってくるが非戦闘員キャラでも撃退できるくらい弱体化してるので正直敵ではないなと。

 長々ラスボスで物語を引っ張るという意味では後の作品のラスボスであるクロノスやエボルトが例に挙げられがちだがアデルwithガンマイザーも中々引っ張ってんだなと見てて感じた。

 それでもガンマイザーのスーツは7体使ってプロップも相応数作っていたので後々の作品よりは絵作りは頑張っていた印象だ。

 

 やりたいことは伝わるがやはり出力が下手というか劇中で言いたいことを圧縮しすぎた印象だ。

 例は2つある。

 1つ目は構成の稚拙さ。

 例えば中盤「ガンマイザーが強くて今の自分の力じゃ太刀打ちできない...」っていう話をしているのに何故が格下の敵をボコってスッキリした風になるのはおかしい。それも連続で2回もあった。

 「ガンマイザーを破壊できるのはムゲン魂だけ」その設定を守りたかったのは分かるがそれにしたって見せ方はあったはずだ。

 ネクロムやグレイトフル魂でもガンマイザーには優勢に戦えるのを見せた後でムゲン魂でトドメ。この流れにすれば少なくとも格下ボコってスッキリの流れは避けられただろう。

 2つ目は圧縮言語だ。

 例えば2クール目のアランの言う「完璧な世界」は「人が傷を負うことも老いることも死ぬこともなく感情も持たないので争いもない世界」という意味。

 だが、これは本編終盤でやっと設定が開示される話。少なくともネクロム登場直後でそんな話はしていなかったはずだ。

 それなのに口を開けば「完璧な世界」しか言わない。botかと勘違いするレベル。

 製作陣の頭の中では全ての設定の意味が分かっているのだろうが、視聴者は情報開示された設定しか把握しようがない。

 正直情報の開示の仕方は下手であったとしか言えないと私は考える。

 「人の可能性は無限大」も同様だと思っている。

 

 

平成ジェネレーションズ

 座組としてのゴースト最後の冬映画。

 公開初日から観に行ったのを覚えているがライダー映画としてやはりインパクトも強くいい映画だった。

 アクションも豊富で見どころも多く、カッコよく動くヒーローものとして坂本監督らしさのよく出てる映画という印象だ。

 前後作の垣根を超えてドライブ、鎧武、ウィザードも勢揃い。 

 竹内涼真白石隼也がちゃんと進ノ介、晴人として出てくれるのは嬉しいところ。

 それだけに佐野岳が出られなかったのは勿体なさすぎる...。

 坂本監督のアクションで動く佐野岳という意味でも、進ノ介や晴人と同時に変身する葛葉紘太という意味でも大きな減点対象だよなあと。

 坂本監督のアクションで動く佐野岳は一度どこかで叶ってほしい願いだ。

 

 主題歌メドレーや『B.A.T.T.L.E G.A.M.E』など挿入歌でも盛り上げてくれるのでボルテージは上がりっぱなし。

 

 マイティブラザーズXXのサプライズ先行登場は平成一期の最強フォーム先行登場を思わせるようでアガッた。

 

 山本千尋はまさかここからウルトラマンジードに出たり大河ドラマに出たりブレイクするとはこの時は思ってもみなかった。

 

 ゴーストの映画として見れば。ゴーストのテーマである「命」とエグゼイドのテーマである「医療」が絶妙にマッチしていて患者(≒アカリ)を救うということで両者の目的が一致していたのも高評価だ。

 何故かいきなり帰ってくるマコト達はちょっと引っかかったが全体で見ればそこまで気にはならない塩梅。

 タケルがテレビ本編で生き返ったことでタケルが死にかける・死ぬかもしれない状況に置かれることで出る緊迫感は確かにあった。これはテレビ本編中幽霊であったからこその対比もあったと思う。

 

 フォームチェンジも坂本監督らしくゴースト派生フォーム以外は全部出したのはさすがというべきか。

 『ゴースト』と坂本監督は相性がいいよなと思わせてくれる一作だった。

 坂本監督が撮る平成ライダー映画は実はこれで最後だったのはちょっと意外。

 よく考えればここからは『ジード』を始めとするウルトラの方にウェイトを置いていたのでそりゃそうではあるんだけどね。

 リアタイ補正抜きにしても満足度の高い映画だった。

 

 

Vシネ『仮面ライダースペクター』

 平ジェネの後にあたる『ゴースト』最後の映像作品。

 1番大事な点であるマコト兄ちゃんが大量に存在する「デザイナーベイビー」の一体に過ぎなかった話、そういう話はテレビ本編の間にカタをつけてほしかった。

 そのせいでテレビ本編のコピーマコトが意味不明になっていたのはどう考えても作品的にマイナスでしかない。

 テレビ本編終盤はVシネの布石を作るための場ではないというのを高橋Pと福田卓郎氏にはもっと早くに気づいてほしかったなあと。

 よく『ゴースト』擁護の意見で「Vシネまで見てから判断してほしい」という意見があるがそれはつまり「テレビ本編だけでは擁護出来ないクオリティ」と言ってるのと変わらないのではないかと思う。

 

 その一点を除けばVシネは結構良かった。

・自分の出自に苦悩し罪を背負って生みの父親であるダントンの野望を止めるマコト。

・テレビ本編でアデルから「家族を持て」と言われたアランがマコトに私ならカノンを幸せにしてみせると告白して、全力で友を止めようとした点。

・中和剤パッチは一時凌ぎでしかなかったが、眼魔世界の大気を変えるために全力を注ぐアカリたち。

 など、見どころは多かった。

 

 感情を総括するムゲン魂と対になるように、七つの大罪を総括するシン・スペクターというのもアイデアが面白かった。

 友情バースト魂も結果こそ伴わなかったが、ディープスペクターを凌ぐ戦力であることを証明できた形態だと言えよう。

 

 ダントンはこの時点では独善的で強権的な人物として描かれていた。

 眼魔世界の住民のためを想った信念は立派だったが行動と結果が伴っているとは言い難い。

 マコトのことも子供のように大切にしているが、それは実験の数少ない成功例だからであって綻びがあれば劇中のカノンのように処分しようとしたんだろうなというのが推測できる。

 クロエに関しては小説でも言及するがVシネの時点では無から生えた女、ダントンの実験の犠牲者としか言えない。

 

 『Vシネ スペクター』、ゴーストのやりたかったことの片鱗を見せた作品だった。

 

 

 

小説仮面ライダーゴースト

 眼魔世界の始まりからタケルの息子アユムの未来まで描く壮大な物語だった。

 これがやりたかったんだな福田卓郎

 

 各キャラの総評について。

 アドニスはひたすら不憫な人生だったなと。妻が病でこの世を去り、息子も殺され、たくさんの同胞も同士討ちで死んでいった。

 そりゃテレビ本編はああいう性格になるよなあ。

 最後にアランが人間世界に興味を示すように手引きが出来たのは幸いか。

 

 グレートアイは自分は神ではないと言ってはいるがやってることは神と変わらないのでは。

 アドニス達を助けるならせめて赤い大気の問題くらいどうにかしてやれよとは思う。そのせいで大勢死んだし。

 中途半端に助けて後は自力で解決してくださいは薄情な奴だと考えてるよ。

 

 ダントンは最初から独善的で強権的なやつではないと分かったのは収穫だった。

 強化人間を作る過程で人体実験に協力してくれた同胞たちの無念を背負って戻るに戻れなくなったのが切ない...

 Vシネでの見方も変わってくるよ。

 

 さて問題のクロエ。

 いわゆるVシネで「無から生えた女」の訳だがそれがなんでタケルと結婚まで至るのか理解はできても納得はできないなと。

 自分を犠牲にしてでも他者を助けてきたタケルと、命が尽きるその瞬間まで他者のことを労わろうと努力するクロエという構図で2人は似た者同士だねっていう構図にしたいのは理解できる。

 ただクロエ自体そんなに出番ある訳じゃないしそんなに尺のないキャラがメインキャラとくっつくのがなんか納得がいかないんだよな。

 

 多分自分はVシネから生えたポッと出のキャラがテレビ本編から見てきたキャラと深い関係になるのが許せないんだろうなと思う。

 『ドライブ』の西堀令子はテレビ本編からいたしVシネ『マッハ』でもメインヒロインとして扱われてたので半ばバグ的に納得することが出来たんだけどクロエはそうじゃないのでこういう感想にもなる。

 

 アカリはイゴールとでもくっついとけみたいな扱いだったしやりたいことのためにおざなりになってる部分があってそこは残念な印象。

 

 『仮面ライダーゴースト』、とにかく変な作品だが作品の出来栄えはともかくオカルトに見えてSFをやりたいのは分かるし、後々の作品よりも真面目にやろうとしていたのは伝わるので2周目してテレビ本編の評価が上がったのは完走してよかったところだ。

 Vシネ、小説まで含めれば高橋Pと福田卓郎のやりたかったことの全てが理解できたので全部見てよかったよ。