トロピカル~ジュ!プリキュア 総括

 2021年2月から放送していた『トロピカル~ジュ!プリキュア』無事見終えたので感想を投稿してみた。

 リアタイしていたプリキュアをブログに感想を載せるのは実は初である。

 結論から言えば超面白かった。ハズレのないプリキュアシリーズにおいても、今作は一話一話のインパクトもさることながら掘り下げや積み上げもきちんとされていて終盤でそれが伏線回収という形で綺麗に収束するタイプの作品だった。

 「トロピカる」「今一番やりたいこと」をキーワードに後回しにすることの後悔に触れながら今を輝かせることの大切さに注力していた作品だと思う。

 作劇においても一見コミカルながらもロジカルな作りになっており、お約束になりがちな「戦っては引き上げる敵」や「終盤まで動かないラスボス」といった要素にもそれぞれ理由付けして独自のキャラ付けを行いツッコミどころを最小限に抑えてるのも評価が高くなる点だ。

 2周目を終えてもその作劇のよさは改めて浮き彫りになっており、既に会っていたまなつとローラであったり、なぜ後回しの魔女が後回しにしていたのかであったりを布石を置いたうえで回収していくのは見事だった。

 

 デザイン面においても3人以上のプリキュアチームにおいてセンターである主役が、例年通りのピンクではなく白というのがシリーズ初で新鮮で面白い絵作りになっていた。

 プリキュア20周年の集合絵において青色のキュアスカイに次ぐ目立つデザインになっておりこの判断は間違ってなかったのがよくわかる。

 余談だが『Go!プリンセスプリキュア』の時もそうだったがキャラクターデザインに中谷友紀子さんが参加されると作品がストーリー面で傑作になる。またそれぞれ主役にゴープリのセンターに春野「はる」か、トロプリのセンターに夏海ま「なつ」のように四季が入ってるのも共通点だと思う。中谷さんには今後も参加してもらって「あき」や「ふゆ」を冠するセンターキュアを生み出してもらって、また傑作作りに一役買ってもらえたら個人的に嬉しい。

 

 コロナ禍の中で始まった本作、2021年・2022年春の映画が無いことで『デリシャスパーティープリキュア』や『ヒーリングっど♥プリキュア』、『スタートゥインクルプリキュア』との共演が無いのは非常に残念で、今後客演できる機会が約束されていないのは『ふたりはプリキュアsplash star』以来の作品となってしまった。

 2023年の『ひろがるスカイ!プリキュア』で先輩や後輩と絡む機会を切望する。

 

 今を大事にした作品だからこそ、テレビ本編において1年間走り切った重みが今までよりも大きいと感じる。

 『トロピカル~ジュ!プリキュア』、1年間見てきてよかったと思えるトロピカってる作品だった。