ヒーリングっど♥プリキュア 感想総括

 『ヒーリングっど♥プリキュア』全話完走した。

 前作同様リアルタイムからの2周目となる。

 医療と地球環境をテーマに地球の病原菌である「ビョーゲンズ」と戦い続けた作品だった。

 主人公花寺のどかは幼少期から入院生活の末、元気に退院したという設定で病気と戦う人生。仲間の沢泉ちゆは家業と部活を両立するために努力して戦っている。平光ひなたは自分の弱さと向き合いながら戦っている。風鈴アスミは戦うために生まれた存在である。それぞれの生き方を通して生きることは戦うことだと最後まで一貫していた。

 生き物とビョーゲンズは対立する存在で、片方が蔓延る時もう片方は滅びるという運命にあって常に緊迫した戦いになっていた。

 どちらかが滅びるまで戦うというのは、初代『ふたりはプリキュア』のような弱肉強食を否定しながらも否定しきれないというジレンマを抱えていて、初代を彷彿とさせるような作風でこれが見たかったと思わせてくれた。

 それはどこか「戦わなければ生き残れない」という『仮面ライダー龍騎』のキャッチコピーが頭をよぎる。

 ヒープリのシリーズ構成の香村純子と、龍騎のメインライター小林靖子は接点はないはずだがどこか感性が似ているのかと本作を視聴していて改めて思った。

 敵キャラを存命させる作品がプリキュアシリーズで増える中で、敵キャラと真っ向から最後まで対峙した本作を私は大いに評価したい。

 今作のダルイゼンも花寺のどかを利用しながら地球を蝕むために活動していたが、最後はのどかに拒絶されキングビョーゲンに取り込まれるというオチも因果応報という形で悪役らしい最期だった。

 ダルイゼン退場が炎上(炎上というほどではないが)したのは敵幹部退場が否定的になっている風潮のせいではないかと分析する。

 敵キャラを生き残らせる作風というのは否定しないが、それしかやらなくなったらシリーズを先細らせるだけである。

 やはり悪役をぶっ倒してこそプリキュアだと私は思いたい。

 『ヒーリングっど♥プリキュア』、来年2023年では先輩となって頼もしくなった姿を是非、見せてほしい。