機動戦艦ナデシコ 総括

 機動戦艦ナデシコ、全話完走しました。

 時にギャグ全開、時にシリアスに、時にラブコメを、色々詰め込んだSFロボットアニメとして初視聴なので新鮮で面白かった。

 バリエーション豊かなお話を多数の脚本家陣で展開しているのが特徴的。

 90年代らしさを感じる要素は多々あるが、今の時代でも面白いと感じる人は多いと思う。

 ユリカもルリも今の時代でも人気出そうな要素は多いんだけどなあ。

 

 このアニメの根幹は互いが正義を主張して戦争しているしメインキャラだろうと容赦なく死ぬシリアスなアニメなんだというのが見進めていくと分かる。

 ものすごくコミカルとギャグの皮を被っているので時折忘れるのだが。

 敵の正体が判明したタイミングでこの作品がやりたかったことが明らかになるの構成が上手い。

 

 劇中劇の『ゲキガンガー3』がただの70年代ロボットアニメのパロディではなくナデシコ本編に深く関わる「聖典」の扱いだったのが分かった時には意表を突かれた。劇中劇を本編のギミックとしく組み込むアニメを見たのは初めてだったからだ。(逆にそういうアニメ他にある?)

 アニメを見てどう受け取るか、それは現実でも人それぞれなのでメタ的にアニメを扱ってる側面もありそう。(というかこの感想も受け取り方の一つでしかないんだよな)

 

 エステバリスの首とコクピット以外を換装するフレームスタイルなの斬新でいい。頭を残すことでロボの文字通り顔を残しつつ機体そのものは丸変わりするのが面白い。

 主人公機がピンク色なのも先進的。

 平成ライダーでピンクを使ったライダーは何人か出てくるけどナデシコから10年以上経ってからなのを考えるとナデシコが先進的なことをやってたのが分かる。

 

 アキトがハーレム状態なのが笑いを誘う。矢印向けてるキャラがユリカ、メグミ、リョーコ、アイ、エリナ(?)、(ルリ)とメインキャラの比率がやたら多い。初期案ではここにヒカルとイズミも加わる予定だったんだから思い切りがいいというか何というか。

 劇中でも男性キャラが羨ましい言ってるのがメタ的で面白い。

 最終回でアキトがやっと素直になってユリカの気持ちに応える展開、ベタだけど26話分見てきた甲斐があったよ。

 

 これを踏まえての劇場版の感想は下です。

 

 

 

 

 

劇場版ナデシコ

 とっっっても身構えていたのもあってそこまでドシリアスな作品では無かった印象。

 シリアスなのはアキト周りだけだったかな。

 3年後の設定だけど変わってるようで変わらないナデシコクルーを時にコミカルに、時にシリアスに描いててまさしく劇場版って感じの劇場版だった。

 ルリが主人公なのは当時のルリ人気を反映した結果なんだろうか。

 結果的にルリを主人公にしたのか、最初から意図的にルリを主人公にしたのかは気になるところ。

 

 

 さて、問題のアキト...

 

 

 

 

 ラーメン屋から味覚を奪うな〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!

 いやまあネットに触れてきて劇場版ナデシコのネタバレは踏んではいたから薄々知ってはいたけどテレビ本編完走してから見ると鬼の所業でしょこれ。

 師匠のもとで経験積んでお墨付き貰ってユリカと2人で店営んでいくっていう話をテレビ本編で着実に進めてたからそれをぶち壊された気分。

 拉致された2人はユリカは最低でも裸晒されて、アキトは脳みそ弄り回されて、ここだけシリアスが振り切ってるんだよな。

 おまけに裏設定で自暴自棄になってエリナと1週間肉体関係持ってたって話。

 ラーメン屋の夢もユリカへの向き合い方も極めて困難(オブラート)になった訳でこの後どうすんのって終わり方だった。

 

 これで続きないって嘘でしょ。

 プロデューサー、早く続編製作してくれよ...。

 

 続編があってルリのナレーション風に言うなら「アキトさんは逃げてユリカさんは起きた。まあこうなったら私たちがやることを一つな訳で...」ってナレーションは絶対あるやつ。

 ナデシコの続編、いつまでも待ってる。