仮面ライダーW 総括

 平成ライダー11作目、『仮面ライダーW』再走しました。

 今作もリアタイに続いて2周目の完走になります。

 リアタイ時にはそこまで気にしてなかったけどこの作品、今の作品と比べてしまうくらいホントに優秀な作品だなと思ったのが率直な感想です。

 理由は大きく分けて3つあります。

 1つ目は販促の上手さ。これは単純にテレビ本編が玩具のCMであるという意味だけでなく如何にスポンサーの商品っぽく見せないかという意味も込めてです。

 基本形態のサイクロンジョーカー以外にあたるダブルの派生フォームがきちんと一回は怪人撃破する活躍を貰っていたり(ルナジョーカーは劇場版に持ち越しだったが)、1話・最終話除いて2回怪人撃破の機会があって基本形態もおざなりになっていなかったりとフォームの扱いも上手かった。

 2つ目は設定の上手さ。ライダー側がラスボスを最後まで狙わないのがテラードーパントの能力だったり、ラスボス逆転のカギがフィリップの精神が移動するWの変身方法だったりと1年通した設定の拾い方や活用が上手かった。

 3つ目は構成の上手さ。2話1部構成のスタイルを最後まで崩さずゲストキャラを主体としたお話を展開しながらもメインキャラの成長や深堀りもこなしていくスタイルが秀逸だった。

 これにより横軸のオムニバス感を楽しめながらも縦軸は確実に進行していって1年間の積み重ねを感じることが出来るのだ。クウガの頃から行われ電王で完全に花開いたこのスタイルは今作においても炸裂していたと思う。

 ディケイドの放送で例年より半年準備期間が延びたことによる作り込みが増した影響は確かに大きいと感じる。「早い、安い、そこそこ」の東映が時間をかければ確実に良いものが出来るなら準備期間は恒常的に伸ばしてほしいのが1視聴者の意見である。

 派生フォームの販促等その後のライダーの基礎ともなったダブル。しかし、その後のライダーに無い要素が全部詰まってる作品になってしまったのは皮肉な話である。

 例としてWですら派生フォームの扱いが平等ではない(ルナジョーカーの必殺技の披露は劇場版に持ち越している)のにその後のライダーで派生フォームをそれ以上増やし続けておりそれでは派生フォームを持て余すのはある意味当然である。

 他にもWを見ていて、やはりライダーの多さには限りがあると思っている。主役ライダー+2号ライダーくらいが一番収まりが良い。今のライダーは多すぎて明らかに扱いきれてないのがよく出ているからである。

 バイクに乗るのもWの頃はテレビ本編だけで30回以上乗っている。それなのに最近では5回以下ということが珍しくない。この頃に出来ていたことが出来なくなっているのはどう考えてもポジティブに捉えることができないのが現状だ。

 今のライダーにはクウガを目指せとは言わない。しかし、ダブルを目指して作ってほしい気持ちがある。

 今と比べてしまうくらい『仮面ライダーW』は優秀な作品だった。

 『仮面ライダーW』これからも大好きである。