仮面ライダーフォーゼ 総括 〜四・十・熱・狂〜

 『仮面ライダーフォーゼ』全話完走しました。

 震災直後の作品なのもあって明るくコミカルな作風がやはり印象的。シリアスさが抑えられており、実際本編で退場したキャラもサジタリウス、レオ、ヴァルゴ、リブラと敵側の大幹部クラスのゾディアーツ怪人のみに留まっていてモブキャラも含め劇中の死亡者は歴代トップクラスで少ないと考える。死に敏感な時期だったのも関係しているだろう。

 

 劇場版オーズでも触れられていた「人と手を取り合うことの大切さ」をフォーゼは一年間通して作中のテーマにしていた印象だ。

 現に如月弦太郎の心を通わして「ダチ」になる一連の展開が、エレキステイツやファイヤーステイツなど新フォームの販促にも関係していたりそれ自体が物語の積み重ねになっていたりと人と関わり合う大切さを説いていたと思う。

 ライダー部みんなの絆でなれるコズミックステイツやこれまで関わってきた天高全員の力でなれたメテオフュージョンステイツが代表的だ。

 

 スイッチ40個に関しては確かに持て余していたように思う。ライダー40周年にちなんでいたり、ダブルで2つのメモリでオーズで3つのメダルだからフォーゼは4つのスイッチにしたという理屈は分かる。40個にしたのは○、×、△、□で10個ずつにしたかったからだろう。40周年なのに20個とか半端な数にするのもおかしいからと解釈しておきたい。

 それでも40個もスイッチを出したのは多すぎであり現にフォーゼが使ったスイッチとしてはメディカルやハンドなど一度しか使われてないのも多いのだ。

 ただ全部合わせてテレビ本編で出したスイッチを40個(メテオ専用のスイッチや映画限定スイッチを除く)という絞った形にしたのは評価したい。レジェンドライダーシリーズを除けば無茶苦茶なコレクション商法にしていないのでコンプリートするのはそこまで難しくない。今のライダーのコンプリート商法と比べればかなり良心的に思える仕様だ。

 私もリアルタイムの時にはフォーゼドライバー購入を皮切りにスーパーやコンビニで買えるスイッチの入手に奔走したものだ。DX玩具に付属しているものは手に入れやすいが、そうでないものは近くのお店に売ってないものすらあった。ホッピングスイッチやペンスイッチ等は確か食玩扱いでコンビニやスーパーで売られていたと思う。

 『オーズ』の余韻もあって『フォーゼ』は私の中で熱狂した部類のライダーだ。

 熱狂して純粋な目で見られて素直に応援できたのはフォーゼが最後になった。というのも『オーズ』、『フォーゼ』で玩具の買い過ぎで熱が冷めてしまったり、世間一般で言うところの「卒業」という時期に差し掛かり『ウィザード』以降は平成ライダー以降をどこか冷めた目で見ていたのは事実だ。(連続ドラマ形式で新鮮だった『鎧武』や『エグゼイド』、平成ライダー20周年の締めくくりである『ジオウ』など例外を除く)

 そういう意味でも『仮面ライダーフォーゼ』は自分にとって世代として最後に大好きなライダーであったと言えるだろう。

 

 また福士蒼汰の如月弦太朗や吉沢亮の朔田流星などが見たい。

 心の青春スイッチはいつまでもオンにしたいものだ。