暴太郎戦隊ドンブラザーズ 総括

 『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』全話完走しました。

 プロデューサー:白倉伸一郎、脚本:井上敏樹、メイン監督:田崎竜太による『仮面ライダーアギト』や『仮面ライダー555』といった名作を生み出したトリオが新たに作り出した作品。ならば最初から名作になるのは約束されていたと言わざるを得ない出来栄えだった。

 およそ今までのスーパー戦隊からは想像ができない構成、過去1と言っていいほどキャラが濃い登場人物達など過去の作品の型を破るために作られてただけあってぶっ飛んでいた作品だった。

 終盤まで戦隊メンバーが全員揃わない、何度も怪人化するメンバー、CGで動かし続けるメンバーなどこれまでありそうでなかった、いや出来そうで出来なかったことをやり続けた作品でもあった。

 1話で鬼頭はるかに荷物を届ける桃井タロウという構図が最終回で再び同じ構図をして「縁ができたな」で締め括るのが最高と言わざるを得ない。これは『トリック劇場版 ラストステージ』と同じ様式になっており、原点で始まり原点で終わるという構図が素晴らしい。

 白倉、敏樹、田崎という平成一期世代にはたまらないトリオによって、この令和の時代にまた新たな名作をリアルタイムで一年間追い続けることができたのは幸運だった。

 まだファイナルライブツアーや『VSゼンカイジャー』、アバレンジャーとのコラボや一年後に来るであろう『キングオージャーVS』に想いを馳せながら、願うことならこれからもドンブラザーズが続いていってほしいと思う。

 新たな名作に拍手を送りたい。