『魔法少女まどか☆マギカ』全話完走しました。
可愛いキャラデザから想像できないようなダークで幻想的なストーリー。
願いを叶えるという代わりに魔法少女として死ぬまで戦い続ける契約を背負わされた5人の魔法少女の物語だった。
途中印象的なのは「魔法少女は契約したら人間じゃなくなってしまう」とか「ソウルジェムが濁り切ると魔女になる」とかキュゥべえ、お前大事なことは最初に言えよって言いたくなる奴だった。邪悪...!
脚本の虚淵玄氏が『仮面ライダー龍騎』が好きなのもあって『龍騎』のオマージュが随所に見受けられた。
序盤で死ぬことでその作品を象徴する存在となる巴マミ(≒須藤雅史=シザース)とか、親しげにしてくれる暁美ほむら(≒神崎士郎)に食い物を差し出す佐倉杏子(≒浅倉威)とか。
何度時間を巻き戻しても変身する運命にある鹿目まどか(≒城戸真司)や愛する者のために戦いに投じた美樹さやか(≒秋山蓮)などキャラ面でもオマージュが見受けられてこれは龍騎見てないと真似できないなと思える出来栄えだった。
中でも杏子がまどかに言った「命を危険に晒すということは他に選択肢がないやつがやること」という台詞は、蓮が真司に言った「そのバカなことにしか賭けられない人間だけがライダーになる。戦って生き残ることしか考えてない」というのに似ている。
戦いに自分から巻き込まれていくのは命を賭ける理由がないと自分からしようだなんて思わないからだ。
その後虚淵玄氏が携わった『仮面ライダー鎧武』で、人間だった化け物(魔女≒インベス)だったり世界を根本から変えるために神となった主人公(まどか≒葛葉紘太)だったりと虚淵氏の手癖のような共通点も数多く見受けられた。
後は『新世紀エヴァンゲリオン』の影響を受けたからかカット割りやシーンの繋ぎ方などどことなくエヴァっぽかった。OPもそれっぽいように見える。
叛逆の物語
テレビ本編を踏まえた上での『叛逆の物語』、よく言われるようにテレビ本編が「最悪のハッピーエンド」とするならば『叛逆の物語』は「最高のバッドエンド」だった。
鹿目まどか1人を犠牲にすることで魔法少女の犠牲も魔女の発生も最初から無かったことにする形でハッピーエンドとしていたのがテレビ本編。
だか暁美ほむらはそんなのハッピーエンドじゃねえと言わんばかりに神となったまどかの人間の部分だけを切り離し、また新しく世界を作り替えたのが『版逆の物語』である。
神にすらも対抗できる存在となったから悪魔。「ラスボスはデビルほむら」というネットミームは要点を捉えた説明だったのが分かる。
しかし人間の部分だけを切り離したとはいえ神であった鹿目まどかはふとしたことで神に戻ろうとする不安定な存在。
今はそれをかろうじて繋ぎ止めているだけなのが分かるラストだった。
『ワルプルギスの輪廻』では神に戻ろうとするまどかとそれを阻止しようとするほむらのせめぎ合いがメインテーマになるんじゃないかと予想する。
『ワルプルギスの輪廻』今から公開が楽しみだ。