『バトルフィーバーJ』全話見終わりました。
バラエティ豊かな『ゴレンジャー』とシリアスな初期『ジャッカー電撃隊』のハイブリッドのような作風でとても好みの作品だった。
戦隊初の巨大ロボを導入、ロボ戦による巨大特撮をほぼ毎回見せるという切り口で当時の子供たちの心を鷲掴みにしたことだろう。実際ここからデンジマンへと繋がっていったり、2クールだったはずが4クールに拡大されていたりとその人気ぶりは確かなものであったと推測できる。
ロボ戦が入るだけでぐっと見知った戦隊に近づくのでやはり戦隊にとってロボは大事な要素なんだなと再確認できた。
中盤2度メンバーの交代劇があったのも印象的。
大人の事情をいかに作劇として組み込むかも魅力の一つと言えよう。
どちらも旧メンバーと新メンバーの交流を見せてドラマチックに交代劇を作っていた。
ダイアンも謙作も魅力的なキャラだったこともあり退場していくのは寂しい気持ちだった。
もちろん後任のマリアも誠も最終回終わる頃には好きなキャラになっていたのでキャラ付けは良かったのだと分かる。
私が見てきていくつか印象的なエピソードを紹介しよう。
まずは33話。初代コサック・白石謙作最後の回。
謙作がエゴスの凶弾に倒れ、二代目コサック・神誠へと引き継がれるセンセーショナルな印象が強い。
それだけでなく戦うものの宿命である「血の匂いがする」や正義の味方も悪の手先もやってることは同じ、といったその先の時代を見据えたような発言も凄くインパクトが大きい。
また勧善懲悪の根強かった時代でここまで先見の明があったことに感嘆した。
戦士は一度マスクを取ったら終わり。最後まで戦わなければいけない宿命を背負わされているのも印象的。
脚本の上原正三さんの底力を見せつけられたエピソードだった。
次に37話。鉄山将軍メイン回。
これまで無敗だったペンタフォースが効かない四面怪人を相手に鉄山流電光剣で瞬殺する鉄山将軍、「もうアイツ1人でいいんじゃないかな」状態だよ。
銃殺刑の時間稼ぎに知恵の輪で凌ごうとするケニアとわざわざ猶予与えるどころか面白そうと言って自分から罠にハマるエゴス戦闘員隊長も面白い。
ゲラゲラ笑える意味では37話は今までで1番面白かったかも。
最後に50話。ヘッダー指揮官最後の作戦回。
鉄山将軍役の東千代之介氏とヘッダー指揮官役の石橋雅史氏の殺陣が凄い。
この作品これを撮るために作られたんじゃないか説を唱えたいくらいだ。
37話でもそうだったが鉄山将軍が出向くと確実に勝てる。
ヘッダーの姑息な戦術も完全に凌いで勝つあたり無敵のキャラなんじゃねえの疑惑さえある。
この回のバトルフィーバー隊は出番が完全にオマケ扱いなのも凄い。
スタッフが最後に撮りたかったものが詰まっていた回だった。
最終回でもスパイものとして構成されているのはバトルフィーバーらしい展開だ。
バトルフィーバーロボで戦いを締めるのは戦隊ロボを初めて導入したこの番組を象徴してるようなラストだった。
サタンエゴスは結局何者だったのか最後まで分からず仕舞いだったのは残念。
まあ昭和の作品は設定の開示が無いまま終わる作品も目立つのでそこはご愛嬌ではあるんだけど。
『バトルフィーバーJ』、ゴレンジャーの原点回帰感を出しつつも戦隊ロボを導入したことでその後のシリーズを決定づけたような作品だった。
話も毎回面白かったのもよかった点。
引き続き『デンジマン』の配信を楽しみたい。