ジャッカー電撃隊 感想総括

 東映特撮で配信されていた『ジャッカー電撃隊』を約4か月掛けて見終わった。

 脱・ゴレンジャーを掲げるようにゲストキャラが散るシリアスなストーリー、強化カプセルに入らないと変身できない故に生まれる緊迫感、時折醸し出されるアダルトな雰囲気といった硬派な作品だった…1クール目までは。

 視聴率が思ったより伸びなかったからか2クール目に入ると役名のついた一般隊員の登場、ゲストキャラの存命など作風のコミカル化といった要素が目立つ。

 さらに23話からは更に路線変更が行われ番場壮吉/ビッグワンの登場、コメディリリーフの姫玉三郎の加入でさらに番組の雰囲気がガラっと変わることになった。

 脱・ゴレンジャーを目指したような作品はいつの間にかゴレンジャーと同じテイストの作品になってしまったのである。

 シリアスなストーリーはそれはそれで面白いのだが、バラエティ豊かな回を盛り込んだゴレンジャーの後だと当時の視聴者にはどこかワンパターンに見えてしまったのかもしれない。

 番組途中で路線変更というのは良くある話だが、『ジャッカー電撃隊』の場合はどこか皮肉なことになってしまったと思う。

 最終回はドブネズミでラスボスを倒すというのもどこか打ち切りの影響を受けているんじゃないかと思うくらい最終回っぽくなかった。

 私は1クール目も2クール目も3クール目も好きではあるが、1クール目を最後まで維持した『ジャッカー電撃隊』も見てみたかったなあとつくづく思う。

 もちろん良い所もちゃんと存在している。

 ジャッカーの特徴と言えば戦闘時の決め台詞で、クライムの手下相手に無双する際の「真っ赤に燃える正義の血潮!悪を切り裂けアトム打ち!」や「娘の18涙を捨てて戦場に咲く桃の花!」といったセリフは毎回言ってくれるので非常に印象に残る。

 大型戦闘機のスカイエースはゴレンジャーのバリブルーンやバリドリーンよりもリアリティあるデザインに仕上がっており、着陸シーンは印象的だ。

 ゴレンジャーから差別化したジャッカー電撃隊の良さはちゃんと存在しているので後から配信で見た視聴者の目にも留まっているんじゃないかなと思っている。