ハピネスチャージプリキュア! 総括

 『ドキドキプリキュア』に続きプリキュアシリーズの『ハピネスチャージプリキュア』を完走してみた。

 結論から言うととても面白かった。ネットのサジェストでは不評なワードが見られたけど、そんなことお構いなしに面白かった。

 愛をテーマに作品が展開され、愛ゆえに苦しんでしまう負の面を描きながらも、それでも愛は素晴らしいものだと訴え続けた名作だった。

 シリーズディレクターに長峯達也さん、シリーズ構成に成田良美さんが参加されているのでそもそも脚本的に破綻する筈もなく、安心して見てられるのも大きかった。

 主人公のめぐみを中心に、人間としてプリキュアとして成長していくひめ、ご飯を食べる事とそれを食べる人への愛が一貫していたゆうこ、精神的な成長と姉を取り戻すというフックで物語を牽引するいおなといったメインキャラは人間臭さもあり愛着の湧く造形で良かった。完璧超人ではなくどこか欠点のある人間臭い造形なのは前作との差別化があったんだろうかと思う。

 

 売上や興収で厳しい数字だったのは事実だが、勢いに乗っていた『妖怪ウォッチ』や『アイカツ!』、『アナ雪』の人気に押されていたので無理もない。実際、同時期の仮面ライダーや戦隊も厳しい数字だったので、この時期のニチアサは新しいコンテンツに苦しめられた時期だったのが分かる。

 

 個人的には登場人物の1人であるブルーはそんなに問題のあるキャラではないように見られた。

 そもそも人間ではなく神な訳で、人間と同じ思考を要求するのは少し違うんじゃないかと思う。

 騒動が終わった44話の時点で本人から説明があればベストだったが、いおな達の口からフォローはあったので、制作陣も意図的にやったことは明白だし、そこまで気にするようなことではないのではないだろうか。

 おかしいことに対しておかしいと言わない作品も多い中ではちゃんと言及があったのでハピプリはいい方の部類だ。

 6作前の『仮面ライダーキバ』もそうだが「愛」がテーマの作品というのは作風ゆえにどうしても理屈で一貫性を通しにくい一面がある。だからハピプリの評価が厳しい人が多いのはそこで引っ掛かったパターンも多いんじゃないだろうか。私は好きだが。

 

 愛から始まり、愛で締めくくられた良い作品だった。私はこの作品を完走してよかった、そんな作品であると思っている。