『ドキドキプリキュア』、1度完走してみたいと思っていたので、時間も取れたので完走してみた。
結論から言うと、とても面白かった。個人的にプリキュアシリーズは初代から今作まで見ていてハズレがないシリーズだと思っているが、今作はその中でも秀でている気がする。
博愛をテーマとした作品にそれを体現するかのような主人公、相田マナ。その信念と行動に惹かれる幼馴染の菱川六花と四葉ありす。最初は相対するも次第にマナの精神に惹かれていく剣崎真琴、円亜久里、レジーナ。失われたトランプ王国を取り戻すという縦筋はあるものの、大筋はマナの精神を体現し続けた全49話だったと思う。
プリキュアシリーズ従来の1話完結の物語をベースに、徐々に縦筋が進行していくスタイルは今作では特によかった。今作ではマナ、六花、ありすはある程度成長しているキャラということもあってか、前半は真琴、後半は亜久里をメインにした成長劇であったと言えるだろう。
特に亜久里とレジーナ、アイちゃんの秘密を1年かけて伏線を張り、終盤でそれらを回収していく様は圧巻だった。まるでミステリー小説終盤の推理パートのように。
この設定が途中で考えられた後付けだと言うのだから製作陣の機転が利いてるのが分かる。
脚本の質はシリーズの中でも上位に入るんじゃないかと思っている。
メインキャラの総括
各キャラの印象として、相田マナのプリキュアのリーダーとしての安定感というか絶対感は歴代でもトップクラスではないだろうか。夢原のぞみ=キュアドリームと肩を並べるレベルなんじゃないかと個人的に思う。
菱川六花は頭脳担当として公私ともにマナを支えたり、参謀として戦いを指揮したりと青キュアらしさがよく出ていた。中盤敵幹部の1人イーラと心を通わせる展開が、終盤で意味のあった展開になっていて無駄がない構成だと思う。
四葉ありすはプリキュアでは珍しく財力を活かして作劇上でプリキュアの存在を秘匿したり、後方支援を主とする珍しいタイプのプリキュアだった。
武闘家な一面もあり防御技を斬撃技として使用するシーンには度肝を抜かれた。
剣崎真琴は当時の紫キュア特有のツンツンらしさが良く出ていて、なおかつ素直になれない自分というギャップが印象的だった。1年通して性格が軟化していったのもよく、40話の挿入歌「こころをこめて」を歌うシーンは彼女の集大成と言える回で感動したものだ。
成長劇という意味では真の主人公と言えるのではないだろうか。
円亜久里は師匠ポジションとしてマナたちを叱咤激励する立場であり、年相応にスイーツに食べたり、友達と遊んだりする時の態度のギャップがよかった。
隠された運命が明かされた時の重さは作中のシリアス要素に一役買っていたと思う。
レジーナは過去作のキュアパッションやキュアビートと彷彿とさせる光堕ちキャラでありながら、プリキュアにはならないという意外性が出ていた。マナたちの2クール近い献身もあって、丁寧に成長劇が描かれたのは好印象だった。
(ケロロ軍曹見ていた世代なので渡辺久美子さんの声というのは心で逆らえない良さがあった。)
特撮番組とのこじつけ
意図的か偶然化はさておき特撮番組と要素が被っている点があるのは面白かった。
n番煎じだろうが敢えてやる。
・帰ってきたウルトラマン:ウルトラ5つの誓い→プリキュア5つの誓い
・ウルトラマンA:戦士名が同じエース。制限時間がある→カラータイマー
・スペードモチーフ
・苗字が剣崎
・どちらも両親を亡くしている。
・最初はハートモチーフのキャラと対立していたが、次第に親しくなる。
他にも作品の共通点として挙げられるのが、
・ハートモチーフのキャラは弓使い。
・どちらも山路和弘さんが出演している。
・一人の「人間」の犠牲がある。
といった例が挙げられる。
スタッフが特撮好きなのかはわからないが、偶然にしては出来過ぎていると考えられる。
こじつけたくなる要素がドキプリにはあると思ってる。
プリキュアということで大半のキャラが生き延びて幸せに生きているのはやはり見ていて気持ちが良い作品だった。
相田マナの精神は見習うべき点があるなと思う。
私はこの作品を完走してよかった、そんな作品であると思っている。
(長文ご精読ありがとうございました。)